2016年5月12日木曜日

YAHOO JAPAN! ニュース5月10日「結婚したくないのか、できないのか~揺れるキャリア女子」についての感想

 久しぶりで婚活問題についての記事が出たので、今日は上記テーマについて筆者の感想を述べてみたい。その前に、今大問題になっている舛添要一都知事の政治資金私的流用疑惑について、一言論評しておきたい。

 当該問題は、昨日発売された週刊『文春』第二弾舛添氏追及記事で報じられた。その概要は、舛添氏の政治団体が氏の都知事就任前の2013年から14年の時期に、舛添氏の私的な家族旅行や飲食費、さらには個人的趣味である絵画関連の出費について、それぞれ政治資金から「会議費用」や「備品代」等を名目に相手から領収書を切ってもらい、経費として処理していたという事である。

 これが事実であるならば、政治資金収支報告書の虚偽記載に当たり、舛添氏は故意であったならば政治資金規正法上の犯罪行為を行っていたことになる。公訴時効は5年であるから、刑事告発は免れず、既に今日の時点で東京地検に告発がなされたようである。

 舛添氏は今日宇都宮市で開かれた関東地方知事会議に出席した後、記者団に対して「全力を挙げ、(13日の都庁での定例記者会見での説明)に間に合うよう(事実関係の精査に)努力している」と述べたようだが、これは氏にとっては都知事辞任を免れるのは極めて苦しい状況だろう。

なぜなら、2年連続で「会議費」を支払った木更津の温泉リゾートホテルで、正月3が日に大規模な会議を開催したこと自体がまず有りえないし、ホテル関係者の証言でもそんな事実は無かったと報じられているからだ。

舛添氏が刑事責任だけは何とか回避したいとするならば、直ちに辞職して問題となっている金額を全額返還して反省の弁を述べ、社会的制裁を自ら甘んじて受けるしかないだろう。野々村竜太郎前兵庫県議の様な下手な悪足掻きの弁解をすると、東京地検特捜部の捜査が入って、氏の刑事責任(政治資金規正法違反および業務上横領容疑)が追及されることになりかねないはずである。そもそも一般公務員が舛添氏の疑惑同様なことをしたら、一発で懲戒免職となるほどの重大事件だからだ。

 大体、事務所で精査するも何も、本件では、自分で2年連続してホテルから領収書を切ってもらった時点で、ほぼ舛添氏の故意が認定される事案ではないかと思われる。それにしても、彼の税金に対する感覚は全く麻痺しているとしか考えられない。こんなことをして、最後までばれないと舛添氏が高を括っていたとすれば、彼は本当の馬鹿者か、エリート意識が高じて政治感覚が麻痺しているとしか言いようがないだろう。いずれにしても、明日の定例記者会見の場での舛添氏の説明が注目される所である。

 さて、前書きが長くなったが、本題のテーマに戻りたい。婚活問題については、我が国の少子高齢化と衰退に直結する大問題なので、本ブログにおいても昨年来何度か筆者の見解を述べてきたが、標記の記事についてもいろいろな現状分析が可能であると思えた。

 記事によると、東京都在住の30代前半女性の未婚率は42.7%であるとのことだ。この数字が果たして大きいと言えるのか、地方におけるデータと比較して見なければ全体像は明らかでないが、少なくとも東京在住の30代キャリア女性については婚活に踏み切る最終期限が、30代前半頃にあるという事は言えそうである。

 なぜなら、筆者の個人的経験から言っても、一般的な男性であれば39歳、女性であれば34歳頃を境に生涯未婚に陥ってしまうパーセンテージが一気に跳ね上がってしまう感じが否めないからである。身も蓋もない話であるが、女性が結婚に踏み切る動機として、子供が欲しいと強く望むことが重要であると思われるからだ。この点は、記事に述べられているとおりであると筆者も共感できる。女性が子供を産むことを考えた場合、生物学的に30代前半までに結婚相手を見つけることは重要な要因となるだろう。

 そしてその場合、相手の男性は40代未満であることが望ましいようだ。筆者のケースで言えば、実際に結婚したのは、なかなか生活が安定せず晩婚が多い研究者のご多分に漏れず、ギリギリ期限内の39歳の時であった。その時は、彼女、つまり今の奥さんはいわゆる大企業勤務の7歳年下であった。したがって、筆者のケースでは夫婦いずれも何とか婚活成功の期限内に収まった事例であるということが出来るだろう。

 標記記事にもあるように、最近の30代前半婚活女性の相手側男性に対する条件提示はなかなかシビアである。まず、多くの場合「大卒・年収600万円以上」という高い壁が男性側に求められる。これは記事の中でも指摘されているように、25歳から34歳位までの婚活同世代の中では、ほんの5%程度の上位層に属する男性達なのである。したがって、この条件をクリアできる男性とうまく遭遇できる女性は極めて限られていると言えるだろう。

 実際、筆者のケースで言えば、婚活の競争相手であった男性陣はなかなか強力な面子であって、現妻の自己申告によると筆者の他に2人いたのであるが、そのうち1人は弁護士、もう1人は医師であったとのことである。恐らく年収条件では、筆者が最下位であっただろう。

 さらに年齢および年収条件をクリアしたとしても、次にキャリア女性が求めてくるのがYAHOO!の記事にもあるように、男性側の「家事分担」能力と、それと裏表の関係にある、女性が「私のキャリアをつぶさないで」という「仕事への理解」能力なのである。

 これが女性のパートナー選びの際の条件として、現在非常に重要な要素を構成していると標記記事には述べられている。これは、十数年前の筆者の婚活時期にも、既にキャリア女性の間で現れつつあった現象であると言える。

なぜなら、筆者の現妻が、実際その旨を当時パートナー選びの最重要条件に提示していたからである。年収条件では恐らく筆者を大きく上回っていたライバルであったロイヤー君とドクター君が最終的に婚活競争に敗北した最大の原因が、実はその点にあったのである。というのも、筆者の当時のライバル両名は、彼女に専業主婦になることを要求したらしい結果、彼女の選択肢から脆くも脱落したらしいからである。

 ではあるが、実際のところロイヤー君やドクター君の様な職業についているエリート層にとって、彼らの仕事の忙しさから考えて、妻との家事分担や配偶者の仕事への理解は、頭では理念として認識していたとしても、彼らが現実に実行することは恐らく非常に困難であっただろう。

彼らと比較すれば格段に時間の融通の効く研究者の立場であった筆者だからこそ、端から彼女に仕事を続けるべきだと勧めていたし、家事分担も掃除や洗濯については平等に担当する旨を当時から表明できたのである。年齢制限ギリギリで、筆者がパートナー選びに比較的円滑に成功できた最大の要因は、恐らくこの点にあったことは間違いないだろう。

 であるならば、現時点での婚活においては、男性側は状況の許す限り結婚後の家事分担を実行することを予め表明しておくべきであろう。逆に女性側としては、男性側に求める年収条件を緩和して、600万円以上などといった上位5%のハイレベルを要求せず、比較的年収が低くとも時間的余裕のある相手を見つけるように努力すべきだろう。

 実際に東京で子供を産んで円満に育てるためには、以前の投稿でも述べたとおり、筆者の感じでも世帯年収で最低600万円は必要な気がする。しかし、その年収全てを男性側に一方的に条件提示するのはやや無理があるだろう。結婚後の家事分担の平等を女性側が重視するならば、男性側に求める最低年収条件を400万円位に引き下げるとともに、結婚後の共働きを前提とするのが妥当な線と言えるかもしれない。この点についても標記記事には最後の項で示唆されており、その意味で筆者も頷ける内容であったと感じたのである。