党内根回しもない唐突な育休宣言でこのところ世間の注目を浴びていた自民党所属の宮崎謙介氏が、本日午前中に行われた記者会見で週刊『文春』今週号が報じた女性タレントとの京都市内自宅マンションでの先月末の不倫疑惑を事実であったと認め、政治家としての言行不一致の責任を取って本日議員を辞職する届け出を衆院議長に提出した。
この宮崎氏なる男、学部は違えども筆者と同じ早稲田大学の卒業生であるそうだ。これほど恥ずかしいプライベートに関する記者会見を行った早大卒業生は、筆者の管見でも彼が初めてだろう。本当に恐れ入ったご人である。
彼の会見を見ていて筆者が感じた点を、いくつか述べてみたい。まず、宮崎氏がいろいろと正直に不倫の事実を認めていたことは今回の会見を見ると確かであったが、その言動に真実味がほとんど窺われない点に筆者は大きな違和感を感じた。
彼は何だか事前に用意してきたメモを読んでいたが、早大を卒業している程度の記憶力があるなら、その程度のことは事前に暗記してしっかりと自分の言葉として咀嚼して述べるべきだろう。
例えば、あの号泣会見の醜態を曝した野々村氏でさえ、その発言内容は噴飯ものではあったが、筆者の記憶では、あの前代未聞の会見の際に野々村氏はメモを見ずに自分の言葉で語っていたと記憶している。それと比べても、今日の宮崎氏の言動については、彼の根本的な頭の悪さが筆者には感じられたのである。
次に、新婚かつ出産間際の妻の目を盗んで女性タレントをナンパし、彼が不適切な関係に自ら誘っていたという点が筆者には到底信じられない暴挙である。しかも、妻と共に彼自身が自民党二階派に所属する衆院議員であった。その点、不貞行為を敢えて決行するに際して、彼の頭の中では、自分の公的立場や時期的な間の悪さといった問題に関して、一体どのように認識されていたのだろうか。これが筆者には全く理解不能であった。
この点について、彼本人が会見で述べていたように「欲に負けた」という事が事実であったならば、彼は自分の欲望を理性でコントロールできない動物と同様である。しかも、件の女性タレント以外にも同時期に同様な不適切な関係を、複数の女性と持っていたことを臭わせる言動が宮崎氏の言葉から見られた。これが事実とすれば、彼は深刻な依存症であろう。彼と家族は直ちに、何らかの病的問題がないかどうか、医者の判断を仰ぐべきだと思われる。
第三に、現状の各政党の候補者公募制度が抱えている、深刻な機能不全の問題である。宮崎氏の様な地盤も鞄も看板もない落下傘候補を公募で選出するに当たって、その能力審査についてシステム上本質的に何らかの欠陥があったことが、今回の育休と不倫による宮崎前議員の辞職騒動で明らかに露呈されている。
特に自民党に限らず、最近公募を通じて選出された1、2年生の若手議員一部の能力および人格における欠陥について、これほど低レベルの事態を招いたことが過去にあっただろうか。若手議員の低レベルが同程度に明らかになった事態は、多分先に述べた野々村氏の政務活動費の不適切処理(詐取疑惑)問題位しか、筆者には直ぐには記憶が浮かばない。
あるいはSNSを通じた情報伝達の速度と拡散が進化した昨今の政治状況においては、過去にはほとんど有権者の目に触れなかったために問題になり様の無かった政治家の欠陥が、次々と人目に曝される時代が到来したと言えるのかもしれない。
いずれにせよ、早稲田大学の先輩の1人として、宮崎氏の様なチャラ男を何とか同窓生の中から撲滅してもらいたいと切に願う。
※ 筆者は来週より論文作成のため、2月中の期間一時投稿を中断します。