2015年11月20日金曜日

対IS軍事作戦に関する2つの方針「封じ込め」と「殲滅」の対立について

 首都パリを隣国ベルギーに拠点を置いたISメンバーの同時多発テロ攻撃にさらされて死者130人の被害を出したフランスのオランド大統領は、1116日にヴェルサイユ宮殿で行われた元老院と国民議会の上下両院合同会議の席で、フランスが軍隊によって攻撃され、「戦争状態にある」と演説した。これはまさに、ISとの対テロ戦争を開始するという、オランド大統領の宣戦布告に他ならない。

 これに対してアメリカのオバマ大統領は、依然としてISを殺人者(テロリスト)のネットワークに過ぎないとして、言わばアルカーイダの組織的な延長線上にISを位置付ける演説を同じ16日に行っている。オバマ大統領の意図を筆者が推測すると、恐らく彼はブッシュ前政権時代の様な対テロ戦争にアメリカが巻き込まれることを懸念して、敢えて有志連合の対IS戦闘を国家間の通常戦争の様な形態に拡大しないように慎重に言葉を選択して演説したのであろう。

 オバマ政権による対IS作戦の要諦は、いわゆるテロの「封じ込め」にある。そのため米軍の空爆の対象となる標的は、今のところ、厳密な軍事的目標、例えばISの持つ軍用車両や重火器、軍事施設や軍隊そのもの(counterforce)に限定されてきたと言われている。その限定された作戦目標は、民間人に対するコラテラル・ダメージ(巻き添え損害)を最小限に抑えるとするアメリカの目的を併せ持っている。

また、対IS封じ込めのためにアメリカの主要な外交政策は、シリアと長い国境線を接するトルコを通じて外国からISに参加しようとする戦闘員等が流入しないように、トルコのエルドアン政権に強い圧力をかけて、シリアとの国境線を完全に封鎖させることになる。

 これに対して、フランスは明らかにロシアと連携して、ISを国家類似の存在に位置づけて通常戦力を大規模に動員した対テロ戦争を遂行し、ISを「殲滅」する戦略に舵を切ったものと言えるだろう。例えばフランスは、原子力空母シャルル・ドゴールを母港トゥーロン軍港から地中海に派遣し、シリア周辺に展開しているロシア軍と協力して対IS空爆の強度をこれまでの数倍規模に拡大させる方針を示している。

 ロシア軍参謀本部は1118日、IS支配下にある原油生産施設や、そこから外国へ密輸目的で原油運搬途中のタンクローリー約500台を空爆と巡航ミサイルで攻撃したと発表した。こうした空爆には、ロシア空軍の重爆撃機も参加している模様である。ISが首都と言っているシリアの都市ラッカも、ロシア軍の攻撃にさらされている。

 こうしたロシア軍が攻撃している標的にはIS戦闘員の他に民間人も多く含まれているため、彼らは通常戦争の遂行と同様に民間人のコラテラル・ダメージを配慮せず、純粋に軍事的勝利を目指して対価値(coutervalue)打撃を実施していると言えるだろう。その戦略の要諦は、明らかにIS「殲滅」なのである。今回、フランスもロシアと同様の対価値打撃を伴うIS「殲滅」に舵を切ったと言えるから、アメリカが主導する有志連合のIS「封じ込め」戦略との間に鋭い亀裂が生じる恐れがある。これはロシアのプーチン大統領の、まさしく望むところに違いないと筆者は考える。

 ISは確かにシリアとイラク両国にまたがって一定の領土と人民を支配しているから、対価値打撃が作戦上可能な「疑似国家」と見なすことも出来るだろう。だが、彼らの「カリフ国家」のイデオロギーでは、イスラーム共同体「ウンマ・イスラミーヤ」の概念はあっても国境線の概念は本質的に存在しない。

 ISの発想では、極めて空想論的だが、最終的には世界中に自らが再興したとする「カリフ国」の領域を拡大して、全世界を「カリフ国」の各州として統一することを望んでいるはずである。それまでの間、彼らは現在の実効支配地に欧米諸国の「十字軍」を引き付けて、ジハードを遂行してこれを叩こうというのが彼らの戦略なのである。

 したがって、彼らISは士気が高く殉教精神に富んだ自爆攻撃を厭わないジハード戦士の地上部隊が支配地に広く拡散して、有志連合やロシア軍の空爆等の攻撃を受けて一旦形勢が不利になると直ぐに前線から撤退するし、また新たな場所に侵攻して支配地を拡大していこうとするアメーバのような戦略を採用してきた。

 また、組織として見たISは、真の国家として人民に完全な行政サービスを提供する能力は恐らく持ち合わせていないだろうが、世界各国籍を有する多くの戦闘員からなる実質的な暴力装置を持ち、SNSを駆使した宣伝工作に長けた広報部門と、一定の技術者集団を保有していることは間違いないと筆者は考える。

 したがって、彼らに対する「殲滅」戦略の対価値打撃の標的は、ISの組織的な生存を脅かすための指導者の殺害と経済的あるいは財政的なアセット、支援組織との連絡網を遮断する作戦に今後益々重点が置かれて行くのではないだろうか。

 例えば、アメリカの次期大統領の最有力候補の1人と見なされているヒラリー・クリントン前国務長官は、1119日にニューヨーク市内で行われたIS対処に関する演説において、作戦目標は「封じ込め」ではなく「壊滅」であると強調して空爆強化や現地に派遣する特殊部隊の増強、シリア北部での飛行禁止区域設定など、オバマ大統領とは全く異なるニュアンスのIS「殲滅」戦略を提唱したのである。

 こうなると、今後予想される対IS戦闘の実態は、ロシアとフランスだけではなくアメリカも加わって、民間人のコラテラル・ダメージを余り厭わない対価値打撃に重点を置いた米露仏3つの大国が競争的に展開していくような、強化された対テロ通常戦争へとエスカレートしていく危険性が高くなったと言えるのではないだろうか。

2015年11月17日火曜日

米軍の「航行の自由」(Freedom of Navigation: FON)作戦に関連する戦略的意味について

ここ数年来続いている南シナ海と東シナ海における中国の低烈度の挑発行動に対して、アメリカの態度に今年になって変化が見られた。筆者の見るところ、1年前までアメリカのオバマ政権はこの問題に関して腰が引けていたが、ここ数か月は行動を伴って中国の活動に積極的な異議を唱えている。

例えば、5月には沿海域戦闘艦が南シナ海をパトロールしたし、1027日にはFON作戦を実施して、横須賀を母港とするイージス駆逐艦ラッセンが中国の領海主張している南沙諸島スビ礁等の人工島沖12カイリ以内を航行して、強力なプッシング・バックを実施した。なお、満潮時に水没する岩礁は島ではなく、国連海洋法条約の上で領海を主張することは出来ない。しかし中国は、1953年以来南シナ海ほぼ全域を取り込む九段線を地図上に定めて、その内部を自国の領海であると主張してきた。

 中国の南シナ海への支配拡大は、19741月に西沙(パラセル)諸島で南ベトナム軍を排除して実効支配を確立し、19883月に南沙(スプラトリー)諸島でベトナム軍との海戦に勝利して6つの岩礁(珊瑚礁)を支配下に置いたように、実際に武力行使を通じて行ってきた歴史がある。

20136月にはフィリピンから奪取したスカボロー礁で軍事施設の建設を開始し、20145月から7月にかけて西沙付近でオイル・リグを設置して試掘を始め、米上院では中国非難決議が採択された。最近の中国の海洋活動での特徴は、法執行機関である海警局を利用してその領土主張を強化してきていることであろう。

習近平国家主席は、演説で中国の正当な権利を放棄しないと強硬姿勢を示しており、そうしたトップの指示を受けて海警だけでなく軍も活動を強化している。1つの例として、南シナ海での大規模実弾演習や、20157月には上陸演習が実施されたのである。

 これらの中国の南シナ海での現状変更活動は東南アジア諸国に大きな圧力となっているし、さらに中国は最近、岩礁埋め立てを進めている。そこでは軍事施設建設も進めており、中国の目的は軍と海警の南シナ海でのプレゼンスを強める拠点作りにあると言われている。特に滑走路建設によって戦闘機と早期警戒機の展開が可能となり、空母遼寧を含む艦隊の行動を支援する中国空軍の南シナ海上空でのプレゼンスが強まるだろう。

 こうした中国の活動は海洋権益を得るための他、西太平洋における米軍に対する接近阻止・領域拒否(A2/AD)戦略の側面で、中国の軍事的プレゼンスを強化する目的もあるのだろう。中国海軍の西太平洋への出口は、1つは南西諸島を抜けるルートであり、もう1つは南シナ海からバシー海峡を抜けるルートである。

前者の東シナ海ルートは日米両国の戦力が強力なのに対して、後者の南シナ海ルートはベトナムやフィリピンなど対立国家が比較的弱い上に水深が深くて、原子力潜水艦の行動が容易である。したがって、中国にとってはその国益上、南シナ海が戦略上極めて重要なのである。

 最近のアメリカの中国に対するこれまでよりも強いメッセージ発信に対抗して、中国は今年9月の抗日軍事パレードで海洋での対米抑止のためのA2/AD能力を誇示し、そこでは空母キラーの準中距離弾道ミサイル(MRBMDF-21Dをさらに長射程化したDF-26が出現したのである。そして、習近平指導部による指示という国内状況を見ても、アメリカの押し返しにも拘らず中国の強硬な海洋進出は今後も継続すると筆者には思われる。

 アメリカのコミットメント(公約)の信頼性は、20138月にシリアのアサド政権が化学兵器を使用してオバマ大統領が前年に設定したレッドラインを越えたにもかかわらず介入しなかったことで大きく毀損された。2014年に起きたロシアのプーチン政権によるクリミア併合とウクライナへの介入は、こうしたオバマ政権の弱腰姿勢が、アメリカのコミットメントへの信頼性低下と現状変更行動の負のスパイラルを招いた結果だとする複数の評価がある。

 中国の南シナ海での強硬な岩礁埋め立ても、同様にアメリカのアジア・リバランスのコミットメントの信頼性毀損に関連するものと見なすことが出来るだろう。その意味で、米軍による今後のFON作戦の実施は、中国の現状変更行動を抑止する上で重要な意味を持っている。

 理論的に考えると、互いに防御的意図しか有していない現状維持国同士の間では、自国の安全を増進させるためにとる手段(例えば軍事的能力強化)の多くが他国の安全を減少させてしまうため、いわゆる「安全保障のジレンマ」による軍拡競争を発生させてしまう危険がある。

だが、相手が中国の様な攻撃的意図を有する現状変更国である場合には、抑止する現状維持国側の軍事的能力を強化しなければ現状変更に対抗する確固とした決意を欠く「弱腰」姿勢の現れという、誤ったシグナルを現状変更国に与えてしまう結果を招くことになる。その結果、抑止を破綻させてしまう危険があるのだ。ただし、海空連絡メカニズム設置の様な信頼醸成措置(CBMs)を中国との間で進めることは、相手国の意図の透明性を増し、偶発的な紛争のエスカレーションを防ぐ意味でも今後さらに重要となっていくであろう。

 ただ、現状維持国側と現状変更国側の軍事バランスが大きく崩れると、一方に先制攻撃の強い誘因が生じてしまい、いわゆる「危機の不安定性」(crisis instability)が増大しやすくなる。他方で、双方の軍備管理を通じて「危機の不安定性」を弱めようとすると、かえって高烈度の紛争が抑止される代わりに低烈度の軍事的挑発行動などが激化してしまう、「安定・不安定のパラドックス」(stability-instability paradox)が逆に発生しやすくなる。

 日米ガイドライン改訂作業において日本政府が米軍をグレーゾーン事態への対処にシームレスに関与させようと交渉を進めてきたのは、こうした紛争の高次と低次のエスカレーション段階の間にある「安定・不安定のパラドックス」をスムーズに「架橋」しようと意図したためであるのだろう(栗田真広「同盟と抑止-集団的自衛権議論の前提として-」『レファレンス』20153月号、22頁)。

 その意味において、日米両国が対中国海空軍戦力で圧倒的な優勢を維持している東シナ海では、尖閣諸島への最前線に位置している沖縄に陸海空三軍が統合された機動展開戦力である米海兵隊の駐留を維持していくことが、米軍を否応なくグレーゾーン事態等の低烈度紛争に巻き込むためのいわゆる「仕掛け線」(tripwire)を設置することと同様な我が国に有利なバーゲニングと見なすことも可能だろう(栗田、同上、15頁)。その点にこそ、筆者は、米海兵隊を沖縄に前進配備しておく紛争抑止目的上の重要な意義があると考えている。

2015年11月16日月曜日

IS(イスラーム国)の連続テロ攻撃に対する対抗手段についての考察

 1113日、金曜夜の人出で賑わうパリ市内と郊外で連続同時多発テロ攻撃が起こり、死者少なくとも130人を出す大惨事となった。フランソワ・オランド大統領の率いるフランス政府は全国に非常事態を宣言し、特に首都パリは現時点で厳戒態勢の下に置かれている。

 犯行グループは少なくとも3つの小部隊に分かれて自動車で移動し、コンサートホールやスタジアム、レストラン等の客に対して自動小銃を乱射して襲撃し、また、犯人自身(9人中7人か)が身体に着用していた過酸化アセトン(TATP)を用いた高度な技術を要する自爆ベストを爆発させて、想像以上の大量殺戮を行ったようである。

 シリアとイラク両国で活動しているISは、事件後自らがこのテロを実施したとする犯行声明を出した。筆者には、今回の事件が2001年のアル・カーイダによる9.11テロに匹敵するほどに、非常に組織的で計画されたテロ攻撃であるように感じられる。実は10月末以降、ISの国際テロ活動は顕著に激化している。例えば、1031日には航海のリゾート地シャルム・エル・シェイクの空港を飛び立ったロシア旅客機がシナイ半島上空で爆発、墜落して乗客・乗員224人が死亡したが、これもISシナイ州が犯行声明を出している。

 ISの犯行声明等では、ロシアと同様にフランスがシリアでの対IS空爆作戦を実施していることに対する報復目的の攻撃であったことが示唆されている。同時に彼らは、サウジアラビアやアメリカへの攻撃も警告しているようである。15日付の『ロイター』の記事によると、ISは西アフリカのマリ共和国でのフランス軍の対イスラーム武装勢力攻撃やフランス国内でのムスリム差別に言及して、特に優先順位の高いテロの標的としてフランスを挙げていると報じられている。

 同時に彼らがイデオロギーに基づいて行動しており、有志連合やロシアによる対IS攻撃が激化すればするほど、彼らの信仰やカリフ国家への献身、すなわちジハード活動が強まると述べている。冷戦後の安全保障状況に関してよく言われることだが、ISのような非国家主体の非対称的脅威(asymmetric threats)においては指導者の合理的な損益計算が期待できないため、その脅威を抑止することは非常に困難なのである。

 ISは一応イラクとシリア両国にまたがって一定の領域を支配しているため、彼らが守るべき領土と国民を持っているとも考えられるが、現在までの彼らの対外行動を鑑みると、「カリフ国」のウンマ(イスラーム共同体)に対する外部からの懲罰攻撃に付随する民間人の巻き添え被害(collateral damage)のリスクについては、全く考慮に入れずにむしろ甘受しているように見える。

したがって、抑止が効果を生ずるための前提である合理性は彼らに期待できず、抑止の本質である報復の脅しもほとんど効かないことになるだろう。

 抑止とは、相手の先制攻撃に対して軍事的報復攻撃を以て耐え難い損害を相手に与える態勢にあることを信頼性(credibility)の有る形で伝達することにより、相手の攻撃自体を思いとどまらせる軍事力の機能である。

 理論的に見ると、抑止概念は、耐え難い打撃を与える「威嚇」によって相手の費用計算に影響を及ぼすことで攻撃を断念させる「懲罰的抑止」と、攻撃阻止能力を自らが物理的に保有することで相手の目標達成可能性に関する計算に影響を及ぼすことで攻撃を断念させる「拒否的抑止」に分類される(防衛省の定義を参照)。

非対称的な「テロとの戦い」である対IS戦闘で言えば、有志連合やロシアによるシリアとイラク両国での空爆作戦は、懲罰的抑止が破綻した結果の懲罰あるいは報復攻撃の実施であると言える。

 また、空港での厳重な手荷物検査や都市部での警戒態勢の強化は、IS国際テロリストの非対称的脅威に対する拒否的抑止を意味しているものであろう。だが、現時点におけるISの活動に対しては報復攻撃の威嚇による懲罰的抑止は既に破綻しているし、10月末のシナイ半島でのロシア機墜落と今回のパリでの同時多発テロを阻止できなかった事実は、国家による拒否的抑止がISに対しては全く効き目が無かったことを示している。

 例えば、ロシア機墜落のケースでは、空港の厳重な手荷物検査体制をすり抜けて機内に搬入された荷物に恐らくプラスティック爆薬が仕掛けられたと考えられている。したがって、エジプトの空港関係者がISに協力して空中爆破テロに何らかの形で関与したとも言われている。

もしそうだったとすれば、仕掛けたプラスティック爆薬を時限装置で起爆させることに成功したこと自体が極めて高度な技術を要する上に、空港職員がISテロリストの一員であったことになる。エジプトという国家は、完全にISに出し抜かれたことになる。これはエジプトの拒否的抑止が、ISの非対称的脅威に対して何らの有効性も持たなかったことを意味している。

 また、今年17日にパリ11区で起きた風刺週間紙シャルリー・エブド本社襲撃事件以来、テロに対する厳戒態勢が取られてきたパリで再び大規模な連続テロが勃発したということは、他の先進国以上にテロへの警戒を強めていたフランスという国家でさえも、筆者が思うに、ISに対する拒否的抑止に失敗したことになるだろう。

 フランスのオランド大統領はシリアでの対IS空爆作戦を強化する方針のようだが、筆者の見るところ、こうした懲罰的な報復攻撃は先に述べたとおり、必ずしもISによるテロの脅威を削減する事に直結するとは限らないだろう。ISの様な非対称的アクターは必ずしも国家の様な合理的判断能力を持っているとは言えず、しかもSNS等を通じた効果的な宣伝活動を通じて世界中の一般人である観衆(audiences)の支持を動員する術にも長けているため、逆にフランスを含む有志連合の方が報復の脅しが機能しない「抑止の罠」(deterrence trap)に陥る可能性が大きいからである(See Emanuel Adler, "Complex Deterrence in the Asymmetric-Warfare Era," in T. V. Paul, Patrick M. Morgan, and James J. Wirtz, eds., Complex Deterrence, The University of Chicago Press, 2009, pp. 99-101.)。

 筆者が思うに当面対ISテロ作戦で最も有効であるのは、サイバー上のISのネットワークを遮断することではないだろうか。その手段の1つとして、こちらからISに対するサイバー攻撃を仕掛けることも検討してみてはどうだろうか。

 もちろん、有志連合やロシアによるIS組織中枢を麻痺させるための指導者層を標的とした攻撃や油田等の経済・財政的アセットの破壊、あるいはIS軍事能力そのものに対する攻撃(counterforce)も、今後継続的に強化されていくことは間違いないと筆者には思われるのだが。