8月24日の投稿で、筆者は新婚旅行で初めて海外に行く人へのお薦めリゾートとして、ラスベガスなどアメリカ本土は難易度が高いのでハワイのホノルルを推薦した。実は筆者には、家族連れの格安旅行でよく使うワイキキのオン・ザ・ビーチのホテルが2か所ある。
この言わば我が家の2つの常宿ホテルの部屋は、いずれもやや狭い約30㎡(今度改装されるホテルオークラ本館の主な客室と同じ広さ)だが、ワイキキのメイン・アベニューであるカラカウア通りの中心をロイヤルハワイアン・センターとして見ると、西側に最高級ホテル・ハレクラニの姉妹ホテルであるワイキキ・パークホテルがあり、東側にアウトリガー・ワイキキ・ビーチリゾートがある。
そして、前者はハレクラニのサービスを利用できる上にDFSギャラリアやABCストアに近いという買い物上の利点があるし、また後者は、ワイキキで最高の立地にも拘らず日本人ゲストが少なく、かつ、ホテル内にあるデュークス・カヌー・クラブでの朝食も中々イケており、正に外国旅行らしさを味わえて筆者には寛げるのである。
そう述べた途端、ロイター通信から入ってきたニュースによると、ハワイのオアフ島ホノルルで23日夜から24日朝にかけて降った大雨の影響で約190万リットルの汚水が海に流出し、海水浴客が感染症に罹患する恐れがあるため、24日から期限未定でワイキキ・ビーチが閉鎖されたという。これでは折角筆者が推薦しても、当分の間、新婚さんがホノルルに旅行する意味が無いだろう。
そこで、今日と次回は代替案として、改めて海外旅行経験者向けの格安な欧州2都市滞在旅行プランに関する提案を2つ提示してみたい。これらはいずれも、ここ最近10年間に筆者が家族旅行で実践したプランであり、海外旅行初心者にはやや難しいが、ある程度英語が話せる経験者ならば十分実行可能であるし、中々充実した旅行になるのではないかと考える。
今日提示する第1案は、南仏コートダジュール周遊とパリ観光セット案である。羽田発エールフランス便を使えば、パリから往復2フライト無料(欧州航空会社は全て同様)になるから、事前に購入した航空券でまず先にニースまで飛んでしまう。
そして、ニース空港からはバスで市内まで移動し、治安の悪い鉄道駅近くにないなるべく格安のホテルに宿泊する。翌日はニース旧市街や丘の上の城跡、シャガール美術館などを観光する。夏なら海水浴もできる。トイレが少なく、かつ、レストラン以外では利用に際してチップが必要であることに注意する。ミネラル・ウォーターは、中心街で買って事前に用意しておくことが必要である。
翌々日は、少し足を延ばして、モナコとのほぼ中間地点の山の上にある鷲の巣村エズに行く。トラムでVauban駅のバスターミナルまで行き、そこで1時間に1本位出ている82番か112番のバスに乗って約30分のEze Villageで降り、この高台で見晴らしの良いオモチャのような絶景の村を観光する(トラムのチケットで、バスへの乗り継ぎが1回可能だったように思う)。
フランス入国4日目は、時間が有ればニース市内から100番のバスか電車でモナコ公国に観光に出かける。グレース・ケリーが埋葬されている旧市街やカジノで有名なモンテカルロを観て回る。但し、時間が無ければモナコ観光は止めて、この日の午後飛行機でパリに向かうこととする。
さて、いよいよ花の都パリに着いた。シャルル・ドゴール空港からはタクシーは高くつくので、Roissy busでオペラ座まで行くのが筆者のお薦めである。所要時間は約1時間程度で、昼間は15分位の間隔で頻繁に発車する。バスの車内は広くて快適・安全だし、何より片道1人11ユーロで格安なのである。市内のバス停もパリのど真ん中のオペラ座の脇にあるから、どこへ行くにも迷いようが無い。地下鉄にもすぐ乗れる便利な場所に着く。
ところで、パリの市内はコートダジュールとは比較にならない位スリや置き引きが多くたむろしている。パリの地下鉄は乗りこなすのに多少の慣れが必要だから、戸惑っている日本人はスリ連中の格好の標的になりがちなので特に注意が必要である。まだ小さい少年数人に囲まれたら、まずスリであるから、遠慮せずに声を出して追い払ってしまおう。
パリは観光名所がセーヌ川のシテ島を中心に大体固まって存在しているから、ホテルを中心地に選べば地下鉄と徒歩で観て回ることが出来る。しかし、エトワール凱旋門やエッフェル塔は昇っても眺望が良いだけでつまらないから、記念写真を撮る程度だけに留めて省略してしまっても差し支えないだろう。セーヌ川クルーズは気持ちが良いので、試みても良いかも知れない。
しかし、治安の悪いパリを余り歩き回るより、パリ・ミュージーアムパスを空港で事前に購入しておき、滞在中3か所だけに絞って集中観光するのが得策であると筆者は思う。
その3か所とは、「モナリザ」のあるルーヴル美術館と、ミレーの「落穂拾い」やゴッホの「自画像」を所蔵するオルセー美術館、そして郊外にあるヴェルサイユ宮殿である。特にルーヴル美術館はとてつもなく広いので、一通り鑑賞するには2日間は必要である。
また郊外にあるヴェルサイユ宮殿には電車で行かなければならないので、当然1日がかりの観光になる。最低でも鏡の間がある大宮殿(今でもトイレがほとんど無くて、常時人が並んで順番を待っている)と噴水庭園、そして、あのマリー・アントワネットが英国風田園生活の風情を楽しんだプチ・トリアノンの離宮は見学すべきであるから、見学に相当な時間を要し、かつ、とても疲れる。
何しろ敷地がとてつもなく広くて、歩くのに非常な時間がかかるのである。そして入場に際してここでミュージアムパスを持っていないと、早朝からチケット購入の長蛇の列に並ぶ羽目に陥ってしまう。
ヴェルサイユまで電車では、ナポレオンの墓があるドーム教会近くのアンヴァリッド(Invalides)駅からRER C5線でヴェルサイユ・リヴ・ゴーシュ(Versailles-Rive Gauche)駅まで行くのが便利だが、途中でC7線が分岐しているので観光客は注意が必要である。しかし、地下鉄から乗り換えて行くことが出来るので、それほど難しいものでもない。
したがって、3日程度のパリ短期滞在では、この3か所を観て回るのが恐らく限界であろう。これが筆者の提案する、欧州2都市滞在格安プランの第1案である。次回は続きで、第2案を提示してみたい。
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