新卒3年以内で折角入った会社を辞める新人が、最近話題になっている。このブログでも、2回にわたって考察してみた。調べると、彼らのことを「さとり世代」と言うそうだ。
「さとり世代」の特徴は、合理的で無駄な消費をしない、必要のない交際はしない、インターネットに親しんでいる、インドア志向、無欲、旅行をしない、エトセトラ・エトセトラなそうである。
しかし、かように世代の特徴を列挙してみると、現代の若者に対する随分とステレオタイプなレッテル貼りのような気がしてくる。我々も80年代後半に、当時の社会人の先輩達から「新人類」とレッテル貼りをされたが、大学卒業後の都銀入行直後に配属先の課長から、いきなり「新人類だから」と紹介されて、自分ながら「そんなに常識を逸脱しているものか」と奇異に感じたものである。
ただ、新入行員歓迎の宴席で、好きでもない飲酒や食べ物を強要された時は本当に憤慨したものである。あの時はまさしく、「新人類」の怒りであったと今でも断言できる。現在はどの会社でも、そのようなことはパワハラと成りかねないので、決して起こり得ないとは思うのだが。
それが理由ではないが、自分はわずか2年間だけ勤務して銀行員を辞めてしまった。したがって、私個人は新卒3年で会社を辞めてしまう若者達を、自分と同類の人達と考えている。
新人類の1人として、後輩である「さとり」の人達にアドバイスできるとすれば、「自分を信じて行動しろ、他人の言うことなんか聞くな」ということだけである。結局、人生の選択は自分の判断に基づいて行うのが、最善の解答である。これが自分の経験上、それこそ「さとった」結論に他ならない。
「さとり世代」の人達が合理性志向ならば、徹底的に合理性を追求してみるのが良いだろう。そもそも、必要以上に熱が籠っていた「団塊の世代」や、その対極に位置づけられることの多い、必要以上に醒めた我々「新人類世代」の方こそ、非合理的な思考にどっぷりと浸かった旧式人間なのである。
これからの日本人は、「さとって」合理性重視で行くべきである、とむしろ決心すべきではないだろうか。熱気や醒めた感情を中和した方が、これからの日本の人口減少社会にむしろマッチしているのではないかと感じる。人口が8千万人程度まで減少すれば、日本人ももっとのんびりと生活をエンジョイできる時代を迎えることができるかもしれないのだ。
今のさとり世代の若者達の発想は、そうした人口減少時代の日本を先取りしていると考えれば、むしろ大人の方が彼らの発想を学ぶ必要があるのではないだろうか。
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